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FLMASK事件における争点




第1回公判での主な争点(1997年8月21日)
弁護側の求釈明検察側の釈明コメント
「わいせつ画像」とは何か。データが記憶されてディスクアレイか。データそのものなのか。また、マスクのかかった状態の画像なのか、マスクの外れた状態の画像なのか。わいせつ画像とは、男女の性器、性交場面を露骨に撮影した映像である。検察側の釈明は、いまだ全く不明
175条の客体は、有体物なのか。釈明の要なし。ここが一番の問題点です。
起訴状に記載されている「わいせつ画像」「わいせつ図画」「わいせつ画像のデータ」「わいせつな図画」という表現は同一か。男女の性器、性交場面等を露骨に撮影した映像が「わいせつ画像」であり、これを電磁的映像情報にしたものが「わいせつ画像のデータ」である。「わいせつな図画」「わいせつ図画」とは、刑法上の条文及び罰条の文言そのものである。これも答えにはなっていないように思います。
「わいせつ図画を公然と陳列する」という行為は、いつ始まり、いつ終了したのか。正犯の実行行為と発生した結果である「復元閲覧することが可能な状況」とは区別されるのか。男女の性器、性交場面等を露骨に撮影したわいせつ画像の性器部分等にFLMASKによりマスクを付した画像データ及びFLMASKの利用方法に関する情報データをサーバーにアップロードするために、インターネットを利用して送信を開始したときに実行の着手があり、これらのデータをディスクアレイ内に記憶蔵置させ、不特定多数のインターネット利用者が、男女の性器、性交場面等を露骨に撮影したわいせつ画像を復元閲覧することが可能な状況を設定した時点で既遂に達するが、これらのデータをディスクアレイ内に記憶蔵置させている間、犯罪は継続する。検察側の釈明は、陳列行為に利用者の再生閲覧までをも含める趣旨なのか否か、これも明確ではありません。
全体的なコメント
  1. 「わいせつな画像データ」が刑法175条の「図画」にあたるのか。
     データそのものを「図画」とするのか、あるいは有体物に一体化されたデータを「図画」とするのかによって、議論は全く違った方向に行きます。したがって、この点が明確にされない限り、議論は進まないと思われます。
  2. マスク画像は「わいせつ」なのか。
     マスク画像そのものには、わいせつ性が認められるのか。あるいは、「潜在的に」わいせつ性が認められるのか。この点は、次の「陳列行為」の意義に絡んで、問題が複雑になってきます。
  3. 陳列行為とは何か。
     陳列とは、わいせつ性が顕現したもの(マスクの外れた状態)を提示することなのか、それともわいせつが潜在するもの(マスクのかかった状態)を展示することでも足りるのか。もしも後者ならば、たとえばマスクを外す利用者の行為も、陳列という概念の中に含まれることになり、陳列の概念がかなり広がります。




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